2014/08/11

わたしたちの本棚

表現の技術 / 髙崎卓馬著

今回の「わたしたちの本棚」は、髙崎卓馬の著書「表現の技術 -グッとくる映像にはルールがある」を取り上げます。

“表現の使命はひとつ。その表現と出会う前と後でその表現と出会った人のなにかを1ミリでも変えること。”

この言葉、ぐっときました。

何かを表現しようとする行為、例えば写真を撮る、絵を書く、音楽をつくる、演じる、文章を書く…など、あらゆる「表現」を考えるときの方法論と心構えがこの本には書かれている、私はそう感じました。

例えば以下の方法論、いろいろな作品に応用がききます。

“想像を利用して、予想外の展開をつくり出す”
“「ズレ」をつくることで、面白さの起点となる”
“物語は登場人物が進めていくようにする”
“一つのシーンを深く追うことで「物語」化する”
“登場人物と観客に葛藤を共有させる”

でもさらに私がぐっときたのは、「心構え」の方でした。

“あらゆる段階で、あらゆる角度で、自分のつくっているものを徹底的に疑う”
“疑う心を常にもっておくほうが、よりよいものを生み出す”
“今つくっているものが、世の中にとってどういう意味を持つのか、ということを考えて理解する”

変ないい方ですが、読んでいて自分たちのやり方に自信が持てたというか、自分たちも結構これと似たような取り組み方をしてきたように思えたのです。そのことがちょっとうれしかった。

昨今、従来のマスメディアはもう「時代遅れ」だの「オワコン」だのと言われ、「キュレーションメディア」や「オウンドメディア」を代表とする新しいメディアが注目されたりしています。でも時代が変わればメディアが変わるのは当たり前のことであって、そんなことより大事なのは「表現しているもの」そのものなんじゃないかと、私は思います。

「人に何かを伝え、その人の何かを1ミリでも変える。」
この想いこそがいちばん大事なんじゃないかと、改めて確認できました。

著者に感謝したいと思います。

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